2015年のサムスン
2015年のサムスン Lee Jae Yong's Samsung in 2015
- 作者: 成和鏞,蓮池薫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/04/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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昔のサムスンは安物というイメージだった。一人暮らしの大学生のテレビはアイワかサムスンと決まっていたのだ。ところが現在では、ソニーと並ぶブランドとなったようです。日本にいるとそんな感じはしないがそうらしい。「確かにメモリー事業では世界一だと思うが、それはあくまでメモリーという量産したもの勝ち的なものだからであって、システムLSIやディジタル家電は日本の方がまだまだ上さ」という思いもあるし。
この本にはサムスンの強みは量産技術の高さであり、新しい事業を生み出すことではないと書かれている。確かに現在はそんな感じだ。フラッシュメモリーは東芝が初めだし、液晶はシャープだ。しかし、今後はどうなるかわかりません。サムスンには資金があるし、それに現状に満足していない。サムスンが新技術でもリーディングカンパニーになる可能性は高そうである。冒頭に書いてあるサムスンがソニーを買収という未来は決して絵空事ではないと思う。
ただ、そんなサムスンも韓国内では非難の声も結構あるらしい。後継者問題とか労組がないこととか。詳しくは第4部に書いてありますし、最近はニュースでもたまに出ますね。
とにかく、サムスンに脅威を感じている人は読んでみることを薦めます。
ちなみに、この本は光文社ペーパーバックスである。しかし、4重表記の4番目の言語がハングルであり、さらにそれらは括弧でくくられているので今までの光文社ペーパーバックスに比べて格段に読みやすい*1。気になった点は、Sラム、Dラムと言った表記と、153ページのeサムスンが設立された年が2005年になってるところか。あと、サムスングループの基礎知識というところに書かれている
パソコンの主記憶に使われるDRAMや、携帯型デジタル音楽プレーヤー、デジタルカメラ、携帯電話機に欠かせないのがフラッシュメモリーで、その主力は現在“直径300ミリメートルウェハー”にあるが、この分野では、「サムスン電子」が世界シェアトップの座に君臨している。
という部分(16ページ)を読んだ時は、「この本は買うべきじゃなかったかも」と思った。最初読んだ時、「DRAMがフラッシュメモリー??」と考え込んでしまったのだw。この部分は光文社ペーパーバックス編集部が書いたみたいだけど、ちょっとワタシには読みづらかったです。たぶん、この本で1番読みづらいところです。逆に言うと、翻訳部分は特に読みづらい箇所もなくすんなり読めます。
*1:他に2冊しか読んだことないが