僕の叔父さん 網野喜彦

僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書)

僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書)

久しぶりの読書カテゴリである。通学電車のなかで本自体は読んでいるが、読んでいるのがライトノベルプログラミング言語についての専門書、もしくはコンパイラの洋書であって、どれもここには書きにくいのだ。ライトノベルは初心者だし、後ろの二つは未だ読み終わっていない、というか洋書を読み始めたのは先週からだ。
そんな感じでこの本は約2ヶ月ぶりにかった新書である。たまたま大学生協で15%OFFで売られていたのだ。前から読みたかった本なので金欠気味なのに買ってしまった。15%OFFなのに買わないと損でしょ?*1
さて、この本について簡単に書こう。これは歴史学者網野喜彦さんへの追悼文である。書いた人はタイトルからわかるとおり甥っ子である。その甥っ子とは宗教学者中沢新一さんだ。網野歴史学のさわりを中心に、網野氏と著者や著者の父親との議論の内容について書かれている。歴史学などまったく知らないが、アジール天皇制の話は非常に興味深かった。
アジールというのは神や仏の支配する特別な空間で、この空間ではアジールの外での義務や罪、拘束などから自由になれるのだそうだ。私はこういうアジールという言葉はもちろん、こういう空間があることも知らなかった。網野氏の「無縁・公界・楽」という本にはこれに関係することが書かれているみたいなので、今度読んでみようと思う。
天皇制についてはここでは触れない。ただ、天皇制についてさらに考えさせるような内容であり、非常に興味深いものであった。
さて、ぼくは網野さんも中沢氏もどちらも良く知らないんだが、どうしてこの本を読みたいと思っていたのだろう。「光の君」のエピソードを知っていたことを考えると書評かなんかで見たんだとは思うのだが、イマイチわからない。でも、まあ、とても面白い本だったし、どうでもいいと言えばどうでもいい。しかし、こんな叔父さんを持っていた中沢氏がうらやましいです。

*1:こういう買い方しているから金がなくなる