エイダ

エイダ (ハヤカワ文庫 JA (599))

エイダ (ハヤカワ文庫 JA (599))

量子宇宙の平行世界の話。
エイダというのは詩人バイロンの娘。数学的な才能に恵まれ、バベッジの階差機関の開発に協力した。最初のプログラマとして知られ、adaというプログラミング言語はエイダに敬意を表示してそう名づけられた(と思う)。まあ、これくらいなら情報系の人間なら常識とは言わないまでも、知っていて当然の知識である。しかし、この本の中に出てくる「エイダ」は量子宇宙を観測できるシステムである(人間「エイダ」も出てくる)。この「エイダ」の出現により物語は現実となり、現実は物語となってしまった。現実と物語に差はなく、自分が現実だと思ってたものが他の人には物語であり、またその逆も起こりうる。平行宇宙の中では絶対的な現実は存在しないのだ。いや、我々の世界だって絶対的な現実なんてものはないのかもしれない。歴史は物語に過ぎず、さらに個人の記憶もまた物語に過ぎない。ほんの数秒前に誰かが私の記憶を書いて、私の脳に書き込んだのかもしれない。私がそれの真偽を知る手段はないのだ。
さすがにちょっと行き過ぎた…。自分でも何言ってるのかわからない。単純に、面白い本だったとだけ書けば良かったのかもしれない。