板書なしではノートを取れない大学生

asahi.comのメディカル朝日コラム『医局の窓の向こう側』を毎週楽しく読んでいる。医局というと『白い虚塔』であるが,筆者のところはあんな感じではないらしい。事実,裁判ネタのコラムはまだない。
今週のタイトルは『当世若者気質』で,これは筆者が大学で講義を行った時の話。最近の学生のレベルの低さへの驚きが書かれている。板書をしないからノートを取らない,授業評価レポートでの教官(つまり筆者)に対する罵りなど,一般的には,とても大学生がやることとは思えない行動である。普段から教育現場にいるわけではない筆者にはとても新鮮に映ったようだ。
しかし,コラム内で大学講師の友人が言うように,これが現在の学生の姿なのである。私の周りも講師が板書したことしかノートを取らない人が半分を占める。もちろん,残りの半分はノートなんか取らない。ノートを取る人でも,講師に「ちゃんと板書してほしい」と言う人は見かけない。情報系の学部の場合は,たぶん,「ちゃんとスライドを作ってほしい」と言っているのだろう。
授業評価の態度もほとんど変わらない。具体的なことは書かずに「(教え方|講義資料|評価方法|etc)が悪い」といった感じなのだそうだ。それどころか,自由記述部に何も書かずに,マークシートのところを全部一番低い評価にマークする人もいる。最悪なのは,講義内容とは関係ない講師の容姿を批判することだ。本当に書いたかは知らないが,授業評価アンケートを書いている時(この時は講師は教室にいない),そのようなことを口に出す人もいるのだ。まあ,授業評価に関しては大学側の問題もあるのだろうけれど。授業評価が講義に反映されている気がしないからなあ。
研究室の教授と話していると,学生がぜんぜん勉強しないとか最近の学生はレベルが低いとかそんな話題が良く出てくる*1。先日も,教科書を読めば簡単にわかることなのにテストの出来が悪かったことを嘆いていた。教授が言うには,教科書を買わない人が多いらしい。そして,買った人も読まないらしい。そういえば,教科書となっているのに授業では使わないので怒ってた人がいたっけ。最近は,授業で使わないとわかっていれば買わないのかもしれない。ちなみに,その教科書はパタヘネ本である。
まあ,優秀な人ばかりの医学部でさえ学生の質が低下している現在,うちの学部の学生のレベルが低くなるのはしょうがないのだろう。今度,教授とその手の話が出たらそう言うか。

*1:たまにイヤミなのではと思ってしまう