王道の狗

王道の狗 (1) (ミスターマガジンKCDX (941))

王道の狗 (1) (ミスターマガジンKCDX (941))

安彦良和氏のマンガといえば,そう,肉感である。ネオデビルマン3巻でうけた衝撃はいまだわすれられない。
まあ,それはいいとして,気にいったセリフがふたつあったのでメモっときます。両方とも勝海舟のもの。

大事なのは人物だよ
言ってることや党派なんてどうだっていいのサ
主義主張はどうにでも変わるけど
人物は変わりゃしないからね

4巻164ページ

支那と戦りゃあそりゃあ勝てるよ
今は無理でももう五年も経ちゃあね
あすこも困った国だから
でも支那の政府には勝てても中国人にゃ勝てっこない

5巻47ページ


私には座右の銘なんてたいそうなのものはないが,あえてひとつあげるとすると『豹変』。わるい意味でつかわれることのおおい言葉だが,本来は「考え方にあやまちがあればそれをすみやかに改める」といった感じの意味で決してマイナスなものではない。人間,特に凡人の考えることなんてたかがしれているわけで自分の考えよりより優れたアイデアがあればそれをうけいれるのは至極当然。しかし,最近では自分の考えや信念をすぐに改めることにたいしてまわりからの目は結構きびしい。たいしたことでなくても昨日と違う考え方をしただけでちょっと軽蔑されてしまうのだ。もちろん自分で考えず,ただ他人の意見に盲目に従うのはどうかと思うが,自分で考えた結果,自分の考え方より他の考え方のほうがすぐれているとわかったならそちらの考えを採用するべきで,それははやければはやいほうがよい。今日の自分は昨日の自分とは違う。明日の自分は今日の自分とは違うのだ。
で,なにがいいたかったのかというと,なんだろう。。。まあ,その,あれだ。重要なのは主義主張ではなく人物なのだから考え方がころっとかわったくらいで人を軽蔑するなってことだ。しかし,自分が軽蔑されないにたるほどの人物であるという自信はこれっぽっちもない。


ふたつの目のセリフは直にそう感じるときもあることにはあるというか結構おおいが,もっと一般的に,自分の所属している組織が他の組織より勝っているからといってその構成員のひとりである自分が他の組織の人より勝っていることにはならない,という感じにうけとった。別に今現在日本が中国より勝っているとは思ってませんが。